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【第76回】うまくいく完成現場見学会 #02 導入編~目的と来場者数の目安

第75回記事の続きです。

工務店の集客

工務店さんが現場見学会で何を目指すのかを考えていきます。
 

現場見学会の目的・ねらい(工務店側)

完成現場見学会の目的

工務店側から見た、現場見学会の目的・ねらいは、主に以下の5点に集約されます。

1. 新しいお客さまと直接出会う場面をつくる
2. すでに出会っているお客さまとの信頼関係を築く
3. お客さまに「家づくりの勉強」をしてもらう
4. 自社を「いいね」と思ってもらう
5. 継続的に次も来てもらえるようにつなげる

順に見ていきます。
 

1. 新しいお客さまと直接出会う場面をつくる

これが一番大切な目的です。まずは出会わなければ何も始まりません。

基本的にはチラシを見て来られたお客さま、雑誌やネットからのお客さまが多いと思います。
通りかかって見学会があるのを知り、たまたま来たという方も、もちろんいます。

とくに今は、お客さまがインターネットで工務店さんを探しています。
御社のホームページを見て、気にかけている方もいるはずです。

そのようなお客さまは御社の潜在的なファンですから、来られたときの接客はとても重要になります。
 

2. すでに出会っているお客さまとの信頼関係を築く

すでに出会っているお客さまには、2回3回と見学会に来ていただき、信頼を深めるための場所とします。

何度も来場することで顔なじみとなり、スタッフとの会話もはずむようになります。
すると、より信頼感が増し、お客さまが御社のファンとなっていきます
 

3. お客さまに「家づくりの勉強」をしてもらう

お客さまにとって、現場見学会は「自分たちの家づくりの参考にするために勉強する場」です。

工務店側としては、ぜひ自社で建ててもらいたいので、ついアピールしたくなりますね。
しかし、自社の売り込みは禁物です。

「このお客さまの契約を取ろう」と自分にプレッシャーをかけていると押しが強くなり、相手に圧迫感を与えます。
結果的に、お客さまは居心地が悪くなり、引き気味になってしまいます。

せっかく見学会に来てくださったお客さまです。
「良い住まいをつくるために、ぜひうちで勉強していってください」と、ゆったりした気持ちでご案内するくらいでちょうどいいと考えてください。
 

4. 自社を「いいね」と思ってもらう

見学会では、出会ったお客さまが「この工務店はいいよね」と思ってくれるような、良い印象を残したいものです。

まずは、自社を「いいね」の候補の一つにしてもらうことを目指します。
 

5. 継続的に次も来てもらえるようにつなげる

これはとても重要なポイントです。
来場されたお客さまにまた会えるよう、次につながる仕掛けをつくっておくことです。

お客さまが自社を気に入ってくれて、「いいね」と思ってもらえたとします。
でも、その後に会う機会がないと、お客さまの熱はいつの間にか冷めてしまいます

中小規模の工務店さんでは、こちらから営業をする(追いかける)ことができない場合も多いものです。

ですから、お客さまの方から来てもらうようなセミナーやイベントなどをあらかじめ用意しておきます。
せっかくの見学会を無駄にしないためにも、ここはしっかり押さえてください。

具体的な内容は、準備編でご紹介します。
 

来場者は何組くらいを目指せばいいのか

個人的には、お客さまをたくさん集める必要はないと考えています。

以前は、2日間で100組来場などとうたっているところもあり、「たくさん集めることがよい」とされてきました。

その実態は…
・会場内は人で埋まり、落ち着いて話ができるような状態ではない
・接客をしてもらえないお客さまは、あきらめてさっさと帰ってしまう
・様子を見に来られた施主さまは、家が汚れたり傷つくのではないかと心配顔
・肝心のアンケートが取れないお客さまが多数

結果として、お客さまの満足度は低く、その後のフォローもしづらくなります。
誰も満足しない見学会、これでは何のために開催したのか分かりません。

現場見学会の目的の一つは、お客さまに気持ちよく「家づくりの勉強」をしていただくことです。
見たいところを見られる、聞きたいことが聞ける環境にしておきたいものです。
 

2日間で20組、新規3~4割を目標に

建物の広さや接客人数にもよりますが、目安としては、2日間で20組くらいの来場を目指します。
(組数ですから、実際の来場人数はその3倍くらいになりますね)

だいたい14時~15時くらいに、お客さまが重なる、来場の山があると思います。
その時間帯でも、接客が行き届くような状態がベストです。
 

さらに、20組の内訳を考えてみます。
近所のお客さまや施主さまが2~3組、契約済のお客さまとOB客が5~6組くらい。
現在進行中のお客さまが5~6組。
新規のお客さまは3~4組。全体の2割くらい。
このような感じの工務店さんが多いのではないでしょうか。

理想としては、新規のお客さまが全体の3~4割を目指したいものです。
 

来場者数は目安、必要以上に気にしない

時々、「来場が土日で6組でした…。どうしたら良いでしょう」といったご相談をいただくことがあります。

確かに、来場者が少ないと、とても不安になります。

でも極端な話、来場されたお客さまが全員「御社で建てたい」と思ってくれれば、それで良いわけです。
そのためにできることを、一つずつやっていきましょう。

実際に、現場見学会の来場者は毎回数組でも、契約が切れない工務店さんもあります。

大切なのは、来場されたお客さまを、次につなげていくこと。
そして自社のファンになってもらうことです。

来場者の数で一喜一憂する必要は全くありません
 

第77回に続きます。

工務店の集客

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うまくいく完成現場見学会

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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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