第77回記事の続きです。
現場見学会に来られたお客さまの対応方法について考えていきます。
お客さまは、家づくりにおいて現在どんな状況なのか
見学会で重要なのは、それぞれのお客さまが、家づくりにおいてどんな状況なのかを見極めることです。
例えば、「家づくりを最近考え始めた」お客さまと、「既に総合展示場などを見て回っている」お客さまが来られたとします。
両者では、接客の内容を変える必要があることはお分かりだと思います。
私はお客さまの進捗状況に合わせて、「初級」「中級」「即行」「上級」という言い方をしています。
順に見ていきます。
「初級」のお客さま
今日初めて、「現場見学会」に来られたお客さまです。
雑誌やネットで見て、なんとなく来てみた。
近所を通りかかったら見学会を見つけたので入ってみた。
など、いろいろなパターンはありますが、基本的に「最近、家づくりを考え始めた」方を指します。
「家を建てるにはまずどうすれば?」の状態なら、家づくりのポイントや流れなど、一から丁寧に説明する必要があります。
まだそれほど勉強されていない、いろいろな情報を刷り込まれていないお客さまでもあるので、大切にしたいものです。
「中級」のお客さま
すでに総合展示場や他の工務店のモデルハウスなどを見て回り、プランや見積をもらっているような方です。
建てることは決まっているわけですから、一番ホットなお客さまとも言えます。
このようなお客さまは、家づくりについてある程度は勉強されています。
ただ、ネットで仕入れた半端な(時々間違っている)知識を持っている場合もあります。
大切なのは、お客さまの知識を否定しないことです。
その上で、違っている部分はさりげなく修正をかけながら話をしていきます。
「即行」のお客さま
これは少し変則的ですが、プランや見積も決定し、来週にもどこかの会社と契約しようとしているお客さまが、見学会に来られることがあります。
たまたま通りかかって、「ちょっと他の会社も見ておくか」といった感じが多いですね。
ほぼ決まっているのに、なぜ他のところを見に来るのか。
それはやはり、「このまま契約して良いのだろうか」という漠然とした不安があるからです。
この場合、自社にとっては大チャンスです。
すでに契約目前ですから、「家づくりの基本は…」などと説明する段階ではありません。
「お客さまの大切な一生の買い物です。弊社にもご提案をさせていただけませんか。契約を1週間延ばしていただけませんか」とお願いをしてみます。
もともと他社で建てるつもりのお客さまです。そこに自社が割り込むわけです。
「そこまで言うなら、この会社の話も聞いてみようか」と思っていただけるような流れを作りたいものです。
ここで注意することは、
■ 他社の悪口は言わない
■ お客さまの判断を否定しない
この2点です。
お客さまの立場を理解した上で、「大切な買い物ですからお時間をください」という姿勢で臨みましょう。
了承をいただけたら、1週間以内にプランと見積を出すようにします。
土地はあるはずですから、敷地調査をして、ご要望と資金計画を教えていただき、ご提案をします。
スピード感が必要です。
ポイントは、プランを2つ持っていくことです。
すると、なんとなく自社に有利な流れになる場合があります。
「上級」のお客さま
過去に一度以上、注文住宅を建てた経験のあるお客さまを言います。
年配の建て替え層がこのケースです。
また、子世代の新築にあたって、ご両親が同伴してくるケースもこれに含まれます。
多くの場合、一度建てたことがあると言っても、すでに20年以上は経つと思われます。
その間、住宅建築も変化してきています。
そこで、昔と今の家づくりの違いを丁寧に説明し、信頼を得ることを目指します。
それには一定の知識(20年以上前の家づくりに関しての知識)が必要です。
接客しながら見極められるのが理想
このように、お客さまの状況によって、対応の仕方は変わります。
接客をしつつ、それとなく質問もしながら、お客さまがどの状況なのか見極められれば理想的です。
第79回に続きます。
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