第90回記事の続きです。
前回も触れましたが、Webマーケティングは「積極的に集客し、自社のファンになってもらい、お客さまとの契約までつなぐ」ためのものです。
ですから、ホームページを「作って置いておく」だけではあまり意味がありません。
効果を上げるために、どのように活用するかを考えていきます。
Webマーケティングに使うメディア
「メディア」とは「手段・方法・媒体」のことです。
Webマーケティングに使う主なメディアは、
■ ホームページ
■ ブログ
■ メールマガジン(=メルマガ)
■ SNS
などです。
スマホの普及により、QRコードを使って雑誌やチラシとWebを連動させることも可能になりました。
これらのメディアを、コスト(費用)と効果性(コストパフォーマンス)を考えながら使います。
トリプル・メディアを活用する
Webマーケティングを考えるとき、よく使われる言葉が「トリプル・メディア」です。
3つのメディア(手段・方法・媒体)を意味しています。
具体的には、「オウンド・メディア」「ペイド・メディア」「アーンド・メディア」の3つです。
言葉だけ聞くと、ものすごく難しいものに思えますね。
でも実は、工務店さんが普段行っていることばかりです。
順にご紹介します。
オウンド・メディアとは
オウンド・メディアは、オウン(own)、つまり自分が所有するメディアのことです。
自ら所有し発信できる、自社ホームページやブログ、パンフレットや会社案内などを指します。
本来の意味では紙媒体なども含みますので、ネット関連とは限りません。
ただしWebマーケティングにおいては、ネットで発信する自社の情報、主にホームページやブログを指しています。
<オウンド・メディアの役割・効果>
自社の情報を発信し続ける(ブログの記事やホームページ内の情報を増やす)ことで、検索の順位が上がり、閲覧してくれるお客さまが増えます。
最初は偶然だったとしても、何度も目にするうちに徐々にファンとなってくれます。
やがて、情報を得るために御社のホームページやブログにたびたび訪問してくれるようになります。
オウンド・メディアは、工務店においては、ファンづくりの一環です。
ファンになる=見込み客となる、といえます。
ペイド・メディアとは
ペイド・メディアは、ペイ(paid)=代金が支払われた、つまり有料のメディアです。
費用を払って広告を掲載するものを指します。
Google広告(旧称:Google Adwords)をはじめとするリスティング広告、大手の住宅ポータルサイト(SUUMO、HOME’S等)などがこれにあたります。
また、従来のチラシや雑誌広告、テレビ、ラジオ、新聞などもここに含まれます。
<ペイド・メディアの役割・効果>
不特定多数の潜在的なお客さまに向けて広告を発信し、自社の存在や商品を知ってもらうことを目的としています。
いきなり買ってもらう、契約してもらう、というよりも、「認知してもらう」ために使われます。
現在は「まずネットでクチコミを調べる」ことが主流となっているため、すぐに購買や契約につながるケースが少なくなっているからです。
アーンド・メディアとは
アーンド・メディアは、SNSのようなクチコミ型のメディアをいいます。
アーンド(earned)は、名声・信用・評判などを得る、獲得するといった意味です。
代表的なものには、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどのSNSが挙げられます。
ネットのクチコミサイトもこれに含まれます。
<アーンド・メディアの役割・効果>
現在は多くの人がスマホを持ち、SNSで発信する時代です。
発信すれば一瞬で世の中に広まります。それがまたテレビで取り上げられるなど、個人の意見を目にする機会が格段に増えました。
そのため、「何かを知りたいときには、まずはスマホ検索してクチコミを読む」という行動が当たり前になってきています。
商品やサービスに満足した人が、その良さをSNSで発信する。
それを読んだ人が新たに商品やサービスを利用し、また発信する。
他の人も「いいね」を押す。
簡単にいえば「共感」の連鎖です。このサイクルで、評判が上がっていきます。
逆に、良くない評判も広まってしまう場合があります。いわゆる「炎上」です。
連鎖していくものですから、良い評判も悪い評判も、広まってしまえば自分ではなかなか制御できない状態になります。
使い方には気をつける必要があります。
工務店におけるトリプル・メディアの利用法
かつては集客に使うメディアといえば、新聞の折込チラシ、新聞広告、雑誌広告が主流でした。
これらのメディアは、家づくりを考えているお客さま(見込み客)に「現場見学会を行うので来てくださいね」というメッセージを送り、集客していました。
見込み客にメッセージを一方的に送る、マス・マーケティングの一種です。
しかし、Webマーケティングは、全く逆です。
見込み客は、自らの意思で家づくりに必要な情報をインターネットで探しています。
お客さまの方から来てくれるのです。
ですから、その見込み客が自社のホームページにたどり着くような流れ(導線)をつくることが必要となります。
「オウンド・メディア」のホームページやブログで、自社を深く知ってもらう。
「アーンド・メディア」のインスタグラムやツイッターで、情報を共有してもらう、いいねをもらう。
これらが相互に組み合わされて、御社のお客さまが増えていきます。
そう考えると、なんとなく感覚をつかんでいただけるのではないでしょうか。
第92回に続きます。
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