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【第69回】今すぐ直したい工務店ホームページ #1 会社とお客さまを守る編

Qホームページは自社で作っています。
効果を上げるため、少しずつ作りかえています。
コツというか、例えば直したほうがいいところなどあったら教えていただきたいです。
(工務店・社員12名・栃木)

Aホームページとブログを拝見させていただきました。
頑張っていらっしゃいますね。丁寧に作られていることが伝わります。

工務店ホームページの対策

気になる点(対策したほうがよい事項)を挙げてみます。

1. 写真の「位置情報」を削除する
2. お客さまの「個人情報」を守る
3. 写真のサイズを小さくする
4. SSL対応にする
5. スマホ対応にする

これは多くの工務店さんのホームページでも同じようなことが見られます。
御社やお客さまの安全、そして集客を左右する内容ですので、早めの対策をおすすめします。

重要なものから順にご説明します。

1. 写真の「位置情報」を削除する

ブログに掲載している写真に、「位置情報」が添付されたままのものがありませんか?
これは大至急、削除することをおすすめします。

現場(お客さまの家)の場所が分かってしまう

「位置情報」とは、写真の詳細な情報で「Exif(イグジフ)データ」と呼ばれるものです。

GPS機能つきのスマホやタブレット端末(iPadなど)、デジカメで撮影した写真には、このExifデータが埋め込まれることがあります。

データには、撮影者、撮影日時、位置情報(経度・緯度)、撮影の方角、カメラの型番(スマホの機種)などが含まれています。

Exifデータは、写真をパソコンに取り込んでしまえば、誰でも簡単に見ることができます
そして、その写真をいつ、どこで撮ったのか、場所まで特定できてしまいます。

つまり、「現場で撮った写真を、Exifデータがついたまま掲載してしまうと、どこのお客さまの家なのかが丸わかり」になる可能性があるのです。

お客さまの情報を、御社が世界中に公開してしまっている状態です。
かなりまずいことがお分かりかと思います。

確認、削除するには?

パソコンに写真があれば、一度確認してみてください。
写真の上で「右クリック」→「プロパティ」→「詳細」で、確認ができます。

Exifデータの例
Exifデータの例

Exifデータが入っている場合は、「プロパティや個人情報を削除」というボタンから削除できます。
多くの写真を一度に選択して作業することも可能です。

また、Exifデータを削除するソフトを使う方法もあります。
ネット上にフリーソフトも出ていますので、ご自分に合うものを探してみてください。

今後、位置情報を掲載しないために

写真を撮るときにGPS機能が「オン」になっていると、位置情報が記録されてしまいます。

トラブル防止のため
あらかじめGPS(位置情報)を「オフ」にしておく
パソコンに取り込み、位置情報を削除してから掲載する
など、対策を行いましょう。

SNSでは、投稿するときに位置情報が自動的に削除されるものがあります。
Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)やLINE(ライン)などでは削除されているはずです。

しかし、ブログは情報がそのまま載ってしまうことがありますので気をつけてください。

ちなみに弊社では、写真はAdobe Photoshopで加工していますが、保存時に「web用に保存」を選択すると、Exifデータは削除されます。
Photoshopをお持ちの方は試してみてはいかがでしょうか。

2. お客さまの「個人情報」を守る

ブログで、地鎮祭やお引渡し式の写真を時々載せられていると思います。
お客さまの顔が分かるものは、ぼかしやモザイクなどの加工を入れましょう。

個人を識別できてしまう顔写真は「個人情報」となり、個人情報保護の観点から問題となる場合があります

同意を得ていても慎重に

特に工務店さんの場合は、地域が限定されます。
お客さまの氏名を伏せていても、掲載内容から個人を推測できてしまう場合がありますので、注意が必要です。

また、お客さまの写真と一緒に、家のプランを載せている工務店さんもありますね。
お客さまの同意を得ていたとしても、防犯上の心配も出てきます。
実際のプランは、ホームページ上から削除しておくことをおすすめします。

ネットで色々なことができてしまう時代になり、想定外のトラブルが起こる可能性もあります。
写真の掲載は、特に慎重に行うようにしましょう。

「個人情報」の定義が変わっているので注意を

平成29年(2017年)5月30日より、「改正個人情報保護法」が施行されています。

以前の個人情報保護法では、扱う個人情報が5,000件以下の事業者は対象外だったため、多くの中小規模の工務店さんにはそこまで厳密な管理は求められていませんでした。
しかし、現在は「個人情報を取り扱うすべての事業者」が対象になっています。

したがって、小規模の工務店さん、個人の大工さんなども対象です
「うちのような小さな会社は気にしなくて良いだろう」とはなりません。
 

また、今までは「個人情報」といえば氏名・住所・生年月日などの顧客リストが主なもの、という認識がありました。

平成29年の改正により、身体の特徴データも「個人情報」となっています。
そのため、顔写真はもちろん、動画なども特定の個人を識別できてしまうものであれば、個人情報にあたる可能性があります。

お客さまの情報を載せる時は、まず「同意をいただくこと」が基本です。
その上で、充分に配慮して掲載するよう、気をつけてください。
 

個人情報保護については、政府のサイトに詳しく載っています。

【参考】小規模事業者や自治会・同窓会もすべての事業者が対象です。これだけは知っておきたい「個人情報保護」のルール -政府広報オンライン

もう少し詳しく
【中小企業向け「これだけは!」10のチェックリスト付】 はじめての個人情報保護法 -中小企業庁ミラサポ(PDF:460KB)
 

長くなりましたので第70回に続きます。

インターネット集客
 


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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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