第89回記事の続きです。
インターネットを利用した集客について、もう少し考えていきましょう。
時代はチラシ集客からネット集客へ
「集客」とは「お客さまを集める」こと。
かつて工務店の主な集客方法は、「新聞折込チラシを入れ、現場見学会に見込み客を集める」でした。
地域に一定量のチラシをまくことで、集客ができていました。
しかし新聞購読者が減少している現在、折込チラシの集客効果は限定的です。
そのため、現在はネット集客(インターネット集客、Web集客ともいいます)に移行しつつあります。
チラシ集客とネット集客の違いについては、第62回でも取り上げています。
契約に結びつけるためのWebマーケティング
ここからは、工務店さんのための「Webマーケティング」についてご紹介します。
「マーケティング」とは、簡単にいえば「モノが売れる仕組みをつくる」ことです。
「Webマーケティング」は、「ネットを使って売れる仕組みをつくる」ことを指します。
集客のために行うイメージをお持ちかもしれませんが、「Webマーケティング」は、単に「集客が成功した」で終わるものではありません。
ホームページやブログを含めたインターネットを活用してお客さまを集め、自社のファンとなってもらい、契約に結びつける。
「契約」という結果を出すまでが「Webマーケティング」となります。
Webマーケティングの最終形は「売り込みをしなくても、ネットからお客さまが来て勝手に売れていく」状態です。
工務店では「お客さまがどんどん集まってきて、次々と契約してくれる」状態ですね。
そうなるためには何をしていくかを考えていきます。
今後の工務店経営にあたって、基本的に知っておきたい内容です。
ネット集客における考え方・心構え
1. Web業界・制作会社との関係を考える
ご相談の中にある「同じ業者さんで続けるのか、別の業者さんに頼むか」という話についてです。
これは、成果が出ないのも一つの理由ですが、「なんとなくコミュニケーションが取りづらい」という要因もあるのではないでしょうか?
Webマーケティングの際、Web業界(ホームページ制作会社やSEO対策会社など)の人たちがよく使う言葉があります。
ホームページ制作を依頼するときなど、Web業界の人たちと会話をするためには、その「言葉」を理解しないと話が進みません。
今までの記事で、工務店の皆さんは「専門用語を分かりやすくお客さまに説明する必要がある」とご紹介してきました。
同様に、Web業界の人たちも工務店さんに分かりやすい言葉で説明する必要があります。
しかし、Web業界には、自分たちの言葉で話を進める人が多くいます。
私たちに分かりやすいよう説明してくれる人は、どちらかといえば少数派です。
Web業界は、始まってまだ20年ほどの新しい業界で若い人も多く、成長途中の段階にあります。これは仕方ないと考えましょう。
不明な点は質問して確認する
いずれにしても、「集客がチラシからネットに移行しつつある」ことは事実です。
ですから、Webの用語が、ある程度は一般的になってくる可能性もあります。
工務店側としては、慣れない言葉が出てきても、初めから「分からない」と拒否するのではなく、分かるまで何度でも確認するようにしましょう。
質問をすることで、相手も「ここが伝わりにくいんだな」と気づきます。
この繰り返しで徐々にコミュニケーションが取れていきます。
何がどうなるのか、理解できるまで質問する。
それでもよく分からなかったらやめる。
分からないものにはコストをかけない。
そう考えられたほうがよいのではないでしょうか。
2. 制作会社やスタッフに丸投げしない
「ホームページは制作会社に任せている」という社長さんもいらっしゃいます。
ただし「聞いてもなんだかよく分からないから任せる」では、うまくいきません。
分からないから任せてしまった場合、ホームページが独り歩きしてしまいます。
とりあえずオシャレなページは立ち上がったが、これが一体どうなるのか分からない。
ホームページから問い合わせが来ても、どう対応すればよいのか分からない。
ブログもどうしたらいいか分からないので、最終的に放置。
こうなると、せっかく来てくれたお客さまも去ってしまいます。
信頼を得るどころか、ご自分で信用を失いかねません。
また、「ホームページは自社の担当者に任せている」というケースもありますね。
しかし、ホームページは、いまや「会社の顔」です。
とても重要な役割を果たしています。
お客さまは、御社のホームページを隅々までチェックしています。
御社と契約するかどうかの判断材料にもなるのです。
そのような大切なものを、社内の担当者や制作会社に任せきりなのは良くありません。
それは「会社を任せる」と言っているようなものだからです。
社長も加わり、チームで行いましょう
ホームページの運用を含めたWebマーケティングをどのように進めていくかは、「今後、自社をどうするか」にも関わります。
社長とスタッフ、制作会社も含め、チームで進めていきましょう。
結果が違ってくるはずです。
第91回に続きます。
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