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【第68回】不思議と役に立つ、日本経済新聞の読み方(工務店版)

Q以前の記事で「日本経済新聞を読むと良い」と書いてあったので、3か月ほど読んでいます。
効果がよく分からないのですが、どんなところに役立つのでしょうか?
(工務店・専務・香川)

A実践されていますか。素晴らしいですね。
少し大変ですが、ぜひあと9か月、続けてみてください。
日本経済新聞(日経)は、1年読んでやっと分かるようになる、そんな感じです。

慣れるのには時間がかかります

日経新聞の読み方

私の経験値で恐縮ですが、若い頃、日経を読んで理解できるようになるまでには、かなり時間がかかりました。
それは、言葉に慣れておらず、経済のことがよく分かっていなかったからです。

普段から経済に関心を持っている方であれば、苦労せず読めるかもしれません。

でも、今まで日経を読んだ経験のない方には難しく、慣れるまでには時間がかかります。

焦らず地道に読んでみてください。
日経だけで30分くらい、時間をかけて読むのが理想です。

日本経済新聞の読み方

では、日経新聞の読み方を、2019年3月6日の朝刊を基にご紹介します。
一字一句すべて読んでいたら疲れてしまいます。
基本は「関心のある記事を読む」でいきましょう。

1面

大きな見出しがいくつか載っています。ざっと眺め、関心があるものは記事を読みます。
関心がなければ飛ばしてかまいません。

下部の「春秋」欄。これは必ず目を通しましょう。
限られたスペースで内容をまとめる技術を、なんとなく学べます

2面(総合1)

社説などもありますが、まずは見出しを見て、関心のあるものは読みます。

必ず読んでいただきたいのが、「迫真」というコーナー。
これは毎週4~5回で完結するように、一つのテーマを特集しています。
とても良い特集なので、ぜひ読んでみてください。

3面(総合2)

同様に見出しを見て、関心のあるところを読みます。
また、関心がなくても、「自分の業界に関わるもの」はチェックします。

建設業やハウスメーカー、大手設備メーカーなど、知っている社名や聞いたことのある社名が出ている記事は読みましょう。

左下の「きょうのことば」。その日のキーワードが解説されています。
3月6日付には保釈保証金が載っています。ゴーン前会長関連ですね。

この欄を毎日読むと、1年で365個くらいの新しい言葉を覚えることになります
とても効果があるので、おすすめです。

4面(政治)

見出しを見て、関心のあるところは読みます。

5面(経済)

見出しを眺めます。そして関心のあるところを読みます。

3月6日付には「部品供給網、サイバー防衛」という見出しがあります。
実はまた、建設資材がかなり高騰しています。物価も上がってきています。

これは米中貿易戦争の影響です。中国が失速し、色々なところに影響が表れています。
木材や金属製品、サッシの価格も上がったりするので、住宅にも影響が出てきます

工務店さんでも視野の広い社長は経済面をよく読まれています。

6面以降

ざっと見出しを見て、関心のあるものを読んでください。以下に主な例を挙げます。
日によって特集が違うので、ページ数も違ってきます。

■ 企業

会社の話が多く出ています。関心のあるところを中心に読んでみてください。
「企業3」面あたりでは、中小企業の話も出てきます。

■ 経済教室

少し難しいので、左下の「やさしい経済学」がおすすめです。勉強になります。

■ スポーツ

スポーツ欄も、以前に比べ充実してきています。
データ分析や経済効果など、日経らしい切り口で書かれており面白いです。

■ 文化(最終面)

私の履歴書」。経営者や著名人の半生が綴られています。良いコラムです。

7面(金融経済)は案外ポイント

自分の地域に関係する金融機関、例えば自社が借入している銀行などが出ていたら読んでおきましょう。
支店長や担当者と話をするときに役立ちます。

雑談で思いがけず有利に

これは、ある工務店さんで実際にあった話です。

社長が日経新聞を読みはじめて1年ほど経った、ある日のことです。
銀行の担当者が社長を訪ねてきました。

話をしている中で社長は、数日前の日経にその銀行が出ていたことを思い出しました。
「そういえば○○銀行さん、日経に出てましたね」と何気なく話を振ったところ、担当者はびっくり。

「えっ。社長は毎日、日経を読まれているんですか?」
「そりゃあ、読んでますよ」
「そうなんですか。すごいですね…」

という会話があったそうです。

銀行員は当然、日経は読んでいます。
ただ、「工務店の社長が日経を読んでいる」とは思っていなかったのでしょう。

その担当者は、自分たちが融資をしている中小企業の社長が日経を読んでいるとは想像していなかった。相手を少し軽く見ていた、とも言えます。

そこへ「読んでいる」と言われて驚き、その担当者の態度はガラッと変わったそうです。

「その後はいろいろな交渉もしやすくなった。教わったとおり日経を読んでいて本当に良かった」と社長はおっしゃっていました。

もちろん、社長は狙ってその話をしたわけではありません。
たまたま覚えていた話題を出しただけです。

それでも、身についていない言葉はなかなか口から出てきませんし、会話も続かないものです。
やはり、1年間日経を読み続けた効果が発揮された、と言えるのではないでしょうか。

会社の経費ではなく、自分で取りましょう

日経の効果は、自分でも思いがけないときに出てくるのが面白いところです。

なお、これから購読される方は、経費で落とさず自費で払うようにしましょう。
自分のお金なら、ちゃんと読みますよね。
経費だと、新品の日経新聞が社内に山積みになっていくだけです。

地元紙を購読されている方は、日経と合わせて2紙、取るのがおすすめです。
日経は、世の中の全体像を把握するため。
地元紙は、おくやみ欄など地域の情報を把握するためです。

ちなみに私は、日経の宅配+電子版を利用しています。
移動中はスマホで読めるので、かさばりません。

参考日本経済新聞

なお、日本経済新聞社さんでは「日経読み方講座」も行われていますので参考にしてください。
参考日本経済新聞社「日経の読み方」

この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。


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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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