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【第85回】うまくいく完成現場見学会 #11 準備編~接客時の心がけ

第84回記事の続きです。

工務店の集客
 

[5]接客シナリオ・接客ツールの用意

現場見学会の接客

では、接客のための準備について考えていきます。

現場見学会でお客さまに気持ちよく「家づくりの勉強」をしていただくために、工務店側はどのような接客をするのか。

ここはとても大切なところです。

工務店さんには、職人タイプの方も多くいらっしゃいます。
それでも、「工務店は建築業であると同時に接客業である」という意識を持っていただきたいと思っています。

いくら技術に自信があっても、お客さまがいなければ、家を建てることはできません。

そのために最低限のマナーや言葉づかいは知っておくこと、できれば普段から練習し身につけておくことが望まれます。
 

接客シナリオの用意

お客さまを迎える準備の一つとして、「接客シナリオ」の作成をおすすめします。

シナリオは、大まかなものでかまいません。
さらに、ざっとロールプレイング(練習)ができればベストです。

実際の見学会で、このシナリオ通りに話が進むことはあまりないかもしれません。
でも何も準備せず行うよりも、格段に効果は上がります

シナリオは「現場を説明するためのもの」と「お客さまに対応するもの」に大きく分けられます。
 

<今回の現場を説明するためのシナリオ>

■ 今回の建物の「ウリ」を整理する

見学会の建物の特徴、「ウリ」を整理して、お客さまに説明できるようにしておきます。

・土地○坪、建坪○坪、施主さまの家族構成
・施主さまのこだわり
・工務店のこだわり など

■ 各部屋ごとの特徴をまとめる

玄関付近、リビング、ダイニング、キッチン、浴室、トイレ、各居室、その他のスペースなど。
それぞれの部屋にストーリーを持たせ、説明できるようにします。

難しく思えるかもしれませんが、自社の家づくりのポリシーが固まっていれば、基本的にどの現場でも共通して使えるものになるはずです。
一度まとめてみてはいかがでしょうか。
 

<お客さまに対応するためのシナリオ>

■ 家づくりの進捗状況から見たお客さま別で考える

「初級」「中級」「即行」「上級」のお客さまごとに、話す内容は違ってきます。
第78回をご覧ください。

工務店の集客
 

■ 自社のお客さまの性格・性質タイプ別で考える

自社のお客さま(ペルソナ)の傾向に合わせて、対応を検討します。

例えば、コミュニケーションが好きなお客さまなら細かく説明する、もの静かなお客さまならあまりあれこれと説明しすぎない、などです。

だいたいどのような話をするかを、シナリオとしてまとめておき、スタッフ全員で共有します。
 

なお、自社のペルソナが明確になっていて、ホームページなどでしっかり訴求ができている場合には、ペルソナ寄りのお客さま(共感客)だけが来場するようになります

したがって、接客パターンも徐々に1種類に集約され、対応しやすくなってきます。

ペルソナについては、第48回で取り上げていますのでご参照ください。

工務店の集客
 

いずれにしても、お客さまには

自社を売り込まない
他社の悪口は言わない

この2点だけは気をつけましょう。
 

接客時のツール(説明資料)

できれば、会場の図面(1/100、配置図・平面図)をA3サイズで用意しましょう。

図面は部屋ごとに色分けをして、分かりやすくします。
そして、見やすいように透明のクリアフォルダーのようなものに入れておきます。

来場者数にもよりますが、2~3枚くらいあれば良いのではないでしょうか。
会場内では、これをお客さまにお見せしながら説明します。

ただし、防犯面や情報漏洩に関わりますので、取り扱いには注意が必要です。
くれぐれも、お客さまには渡さない(持ち帰られない)ように気をつけてください。
 

接客時に心掛けたいこと

<接客時間60分を目指す>

「お客さまの不安を取り除き、信頼を得る」ことが、現場見学会を行う最大の目的です。
そのために、「お客さまの接客時間60分」を目指します。

来場時の「いらっしゃいませ」から、見送りの「ありがとうございました」までが60分だと考えましょう。
 

■ なぜ60分なのか

人は、「相手に接する機会が多いほど、警戒心が薄れ、好感度が高まる」ことが分かっています。
心理学で「単純接触効果」と言われているものです。

少し長めに接客し、いろいろな会話をすることで、お客さまもだんだん慣れ、心を開きやすくなります。
つまり、お客さまの「心理的な壁」を取り払うために必要な時間、といえます。

ちなみに、広告やテレビCMもこの「単純接触効果」を狙っています。接する機会を増やすため、こまめにブログやフェイスブック・インスタグラムで発信することも効果的になります。
 

■ 60分、接客するために

家づくりに関心のあるお客さまが来場しているとはいえ、60分接客するのはなかなか大変です。
話す内容も、いくつか用意しておかなければなりません。
ここで先ほどのシナリオが役に立ちます。

また、会話をしていないときでも、お客さまが退屈しないような仕掛けが必要です。
そこで、自社紹介資料や説明パネルを用意しておき、自社のいろいろな情報に触れていただくようにします。
 

では次回、自社紹介資料や説明パネルについて見ていきます。

第86回に続きます。

工務店の集客

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うまくいく完成現場見学会

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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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