工務店経営のヒントが届く! 無料メルマガはこちら >

【第115回】元請と下請の違いは何?元請になるために必要なこととは

Q法人ではありませんが、家族3人で工務店をやっています。
会社にしなければ、元請にはなれないのでしょうか? 個人商店は下請と見られるのか気になります。
元請と下請の違いは何でしょうか?
(建築業・40代・栃木)

Aまずお答えとして、元請はなろうと思えばなれます
ただし、元請として必要なことや心構えもあります。

ここでは「元請」と「下請」についてじっくり考えてみましょう。

元請下請の違い

元請(もとうけ)・下請(したうけ)とは?

元請」とは、工事を依頼したいお客さまから直接仕事をもらうことをいいます。
お客さまは必ずしも個人とは限りません。企業や役所などの場合もあります。

この記事を読まれている方の多くは、個人のお客さま(ここでは「個人客」といいます)をメインにしていると思いますので、ここからは個人客を中心に話を進めます。

個人客から直接仕事をもらう場合、「元請」となります。
個人客が「発注者」(注文を出す人)となります。
建築業界では、工事の発注者のことを「施主(せしゅ)」といいます。

その「元請」が請けた仕事の一部を請け負うのが「下請」です。
下請の職人さんや下請の職業を「下職(したしょく)」ともいいます。

元請と下請の立場の違い

外壁塗装を例にして考えてみましょう。
塗装屋さんの立ち位置に注目してみてください。

工務店から請ける場合

個人客が外壁塗装を依頼する先が、元請となります。

工務店に発注すれば、工務店が元請です。
そしてその工務店がさらに塗装屋さんに発注すれば、その塗装屋さんが下請となります。

つまり、次のような関係になります。

個人客(施主)
─[発注]→ 工務店(元請)
─[発注]→ 塗装屋さん(下請

別の職人さんを手配する場合

この塗装屋さんが自分では仕事をしないで、誰か別の職人さんを手配する場合もあります。
するとその職人さんは「孫請(まごうけ)」となります。

個人客(施主)
─[発注]→ 工務店(元請)
─[発注]→ 塗装屋さん(下請
─[発注]→ 別の塗装屋さん(孫請)

個人客から直接請ける場合

一方、個人客が直接塗装屋さんに発注すれば、この塗装屋さんが元請となります。

個人客(施主)
─[発注]→ 塗装屋さん(元請

誰から仕事を請けるのかがポイント

こうして見てみると、この塗装屋さんは元請になったり下請になったりしています。

再確認です。

個人客(施主)から直接仕事を請けるのが、元請です。
したがって、塗装屋さんが仕事を直接請けた場合は「元請」です。
しかし、工務店経由で請けた場合は「下請」となるのです。

簡単に言えば「誰から仕事を請けるか」の違いとなります。

お客さまの立場から見ると?

さて、工務店が請け負っても、直接塗装屋さんが請け負っても、仕事の内容は同じはず、です(厳密には違う場合もあると思いますが…)。

発注する側(個人客)から見てみましょう。

外壁塗装を依頼する場合、間に工務店が入ると、間接的な費用が増えることになります。
ですから、もし同じ仕事であれば、直接塗装屋さんに発注するほうが安く済むはずです。

しかし、多くの施主さまは工務店に依頼します。
それはなぜでしょうか?

お客さまが工務店に工事を依頼する理由

(1)個人客が塗装屋さんを知らない、あるいは誰に依頼すればいいか分からない
(2)家に関する仕事は、費用が多少高くても工務店に任せるほうが安心、なぜなら責任をとってくれるから
(3)工務店なら塗装以外のことも依頼できる

おおむね、このような理由だと推測されます。

お客さまから見ると、工務店に対する信頼感があるように思います。
では専門業者は信頼できないのか? といえば、そんなことはありません。

しかし、残念ながら多くのお客さまは、

・専門業者の存在がよく分からない
・職人的イメージが強く、挨拶や服装がきちんとしていない気がする

などと間違った(誤解した)先入観で見ていることも事実です。

ここまで塗装屋さんを例にしてきましたが、専門の工事業種では同じことがいえます
「ならば元請になればいいじゃないか」という専門業者さんもいると思います。

元請として必要なことは?

最重要なのは「営業力」

元請にとって、最も重要な仕事は何でしょうか?
それはもう「仕事を作ること」に尽きます。

「仕事を作る」とは、「営業する」ことです。
「営業する」とは、「お客さまを見つけ、契約までこぎつける」ことです。

つまり、元請としてやっていくためには営業力」が必要になるのです。

「すべての責任を負う」覚悟

さらに、仕事をもらった後は、工事の責任を負うことになります。
きちんとした仕事をしなければ、お客さまからクレームになります。
ですから現場管理が欠かせません。

元請には責任」がついてまわるのです。

下請は基本的に営業の必要がない

下請の良いところは、元請から仕事がまわって来ることです。
請けた仕事をきちんと仕上げるのが下請の役割です。

極端にいえば、下請はトラブルのない仕事をしていれば特に営業する必要はありません。
ただし、元請に営業力がない場合は「ほかの元請を探す」という営業が発生しますが…。

建築業界は変革が始まっている

最近は塗装屋さんや屋根屋さんが元請をしているケースを見かけます。
専門業者さんの元請化(もとうけか)です。

これは建築業界の変革が始まっている証だと考えられます。

コロナ禍で世の中が大きく変わるときが来ています。
それぞれの立場で、しっかりとした仕事をしていきたいものです。

この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。


いい家を建て、利益も残す工務店300の方法
読者会員登録


メール会員
読者会員さまに、工務店経営に役立つ情報をメールでお知らせします。

セミナーや勉強会・交流会のご案内も優先的に届きます。
オリジナル資料のダウンロードもできます。
時々おまけもついてます。

年会費は無料です。登録しておきませんか?


ABOUT US

間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
→詳しいプロフィールはこちら