新聞に折込チラシを入れても、若いお客さまが来場してくれません。
何か良い方法はないでしょうか?
(66歳・工務店経営・静岡)
近年、新聞購読率(正しくは新聞行為者率)が極端に下がっています。
1995年に約50%あったものが、2015年には33.1%にまで減少しています。
特に40代以下の世代の購読率は、大変低くなっています。
これは最も新築を検討している世代に新聞チラシが届いていないことを意味します。
つまり、チラシの効果が弱まっているということです。
実際どのくらい購読率が下がっているのか
総務省がまとめている「情報通信白書」の中に、「主なメディアの利用時間と行為者率」のデータがあります。
この中で毎年、過去5年間の新聞閲読率が発表されています。
令和元年版によると、2018年の新聞閲読率(平日)は、全世代で26.6%。
20代は5.3%、30代は13.0%、40代でも23.1%となっています。
このデータからも着実に新聞購読率が下がっていることが分かります。
新聞チラシを入れる意味はないのか?
では新聞チラシは効果がないのか? というと、そうではありません。
新聞をとっている人は、やはり「経済や社会問題に対する意識の高い人」です。
ということは、サラリーマンであれば勤務先は地域でも有力な企業で、総じて年収も高めと考えられます。
つまり、工務店から見れば比較的予算にも余裕のある「優良見込み客」であると言えます。
確かに、全体の4分の1にしか届かないチラシは、非効率的かもしれません。
でも、それが実は「意識の高いお客さまに絞りこまれている」と考えれば、チラシを入れる価値はあると思います。
「意識の高いお客さま」に効果のあるチラシとは?
そこで、お客さまが御社の現場見学会の案内チラシを見たときに、「この見学会はどうしても行っておかなければ!」と思うようなチラシを作る必要があります。
先ほどの「意識の高いお客さま」は、「より良い家を建てたい、そのためには多少高くても良い」と考えています。
ですから、安さがウリの価格訴求型や、「あれもこれも付いて○○円」的な打ち出し方は、逆効果となるのでNGです。
「自社で建てる家が、いかにあなた(お客さま)にとってプラスになるか」、付加価値を丁寧に訴えることがポイントになります。
「住まい方の提案」がポイント
そのためには、自然素材・耐震性・ZEHなどハード面の訴求も必要ですが、ソフト面の付加価値が最も重要です。
建物の性能よりも、「住まい方の提案」を前面に打ち出すようにします。
例えば、「お子さんの勉強場所はリビングを前提にプランを考えましょう」とか、「ワンちゃんと一緒に住むなら玄関を広めにして洗い場をつけましょう」などなど。
お客さまに対して、皆さんが普段から提案していることがあると思います。
それを、「チラシできちんと訴える」ことです。
そうすることで、「この工務店さんはよく考えている、気が利いている」という印象を与え、興味を持ってもらえる可能性が高まります。
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