先日、お客さまにプレゼンしようとお伺いしたところ都合がつかず、「郵便受けに入れといて」と言われたので、仕方なくそうしました。
しばらくしてお客さまの方からお断りのTELがありました。
あんまりです。人を何だと思っているのでしょうか?
(工務店・51歳・山梨)
お気持ちは分かりますが、まずはじめに。
せっかく一所懸命作ったプランなのですから、もっと大事にしませんか?
私なら、郵便受けに投函して帰るのではなく、あらためてお時間をいただき、必ず相対(あいたい)のプレゼンをします。
お客さまの気持ちを考える
お客さまは、家づくりに関しては未経験者です。
そのプランのどこがどのように良いか、見ただけでは分かりません。
自分の要望をちゃんと盛り込んでもらえたか、期待と不安が入り交じった気持ちでプランを見ます。
見ながら説明を受けて、「そうなっているのか」と、ようやく理解するのです。
説明がなくてもプランが良ければ契約になる、と思われますか?
それは、お客さまに相当なプランの読解力がある場合だけです。
多少プランの読めるお客さまでも、そこに込められた意図まで正確に把握するのは難しいのではないでしょうか。
「プレゼン」がカギを握ります
直接お会いして、プランの内容を丁寧にご説明する。
そうでなければ、一所懸命作ったプランの良さは全く伝わらない、と考えましょう。
ですから、もし競合他社がきちんとプレゼンしていた場合、ほぼ負けます。
それくらい、プレゼンが重要なのです。
プレゼンの組み立ても大切です。
いかにこのプランが良いかを、お客さまに理解してもらわなければなりません。
そのためには、「お客さまが感動するプレゼン」の演出も必要になります。
「お客さまが感動するプレゼン」のポイント
では、「お客さまが感動し契約につながるプレゼン」のポイントを見ていきましょう。
1.プランの用意
プランは、2つ用意します。
それぞれのプランに意味を持たせることが大切です。
例えば、「A案は玄関をこちらにしてここを重視しました」「B案はこのようにしてここに変化をつけました」といった感じです。
最終的に「その2つのプランのいいとこ取りで、理想のプランが完成する」というシナリオができれば完璧です。
2つ用意する目的とは?
プランを2つ持ってくる工務店はあまりないため、お客さまに良い印象を与えます。
そして、2つを比べて「こちらがいいね」と、肯定的な捉え方をしてもらえます。
ですから、他社と競合しても、まず最後まで残ることができます。
プランを1つだけ用意した場合は、他社のプランが比較対象となります。
お客さまは1社しか選べないので、「これは違うね」と、否定的な目線で見比べます。
結果的に、御社のプランが他社のプランの引き立て役となってしまう場合もあります。
2.プランの見せ方
プランはお客さまにも分かりやすいよう表現します。
それには、お客さまのご要望ポイントを、プラン上に文字で書き込むことです。
吹き出しなどを使い、見て楽しく演出できると良いですね。
例えば、愛犬との住まいをご提案する場合。
「ワンちゃんのための○○があります」とか「ワンちゃんがキッチンに入らないように扉をつけました」など、分かるように書いておきます。
3.立体感の演出
普段プランを見慣れていないお客さまは、プランを見て立体的に想像するのは難しいものです。
隣地との関係性、南や北の方向性を分かりやすく書いておきます。
小技としては、プランを上下逆にして、北側からの目線で見てもらうという方法。
これは意外にウケます。
プレゼンの「準備」を念入りに
プレゼンが決め手になるので、プランにエネルギーを注ぐだけでなく、そのプレゼンの準備をきちんとして臨みましょう。
ぐっと契約に近づきます。
この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。