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【066】工務店のタバコ問題。施主さま激怒の現場トラブルを防ぐために

Q現場のタバコについてです。
現在は、必ず決めた場所で吸う条件で喫煙を許可しています。
しかし、今どき現場でタバコを吸うのもどうなのかと考えています。
私自身は吸わないのですが、そのうちお客さまにクレームをつけられるのでは? と気になります。
やはり現場は禁煙にした方が良いでしょうか。
(58歳・工務店経営・愛知)

Aはい。おっしゃる通り、時代は変わりました。
今は、現場でタバコを吸うのはもってのほか、と考えたほうが良いと思います。

現在、「国民の8割以上は非喫煙者」という厚生労働省のデータが出ており、タバコを吸う人はかなり少数派になりました。

参考 成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)-厚生労働省の最新たばこ情報

平成29年度の調査では、平均喫煙率は17.7%です。
男女別では、男性29.4%、女性7.2%。

それでも30~40代の男性は約40%が喫煙者となっていますので、現場で吸う人が多いのも理解できます。

法律で「原則禁煙」が義務付けられます

受動喫煙対策

2018年7月に改正健康増進法が成立しました。これは受動喫煙対策を強化する法律です。

段階的に、飲食店を含むほとんどの施設が、原則屋内禁煙となります。

今までは「喫煙者のマナー」などとされてきましたが、今後は「ルール」に変わります。
違反者には罰則もありますので、注意してください。

2020年4月1日から原則屋内禁煙です

具体的には、2019年1月24日から、「喫煙する場合は周囲に人がいない場所」とされています(配慮義務)。

2019年7月1日から、学校や病院、行政機関では敷地内禁煙となっています。

2020年4月1日には全面施行となり、会社や飲食店(規模によります)などでも、原則屋内禁煙となっています。

厚生労働省のサイトに詳しく載っていますので、確認してみてください。
参考 「なくそう!望まない受動喫煙」サイト -厚生労働省

また、これに加えて、お住まいの自治体でも独自の条例が制定されている場合もありますので、一度確認されたほうが良いのではないでしょうか。

企業内でも禁煙・分煙を

繰り返しになりますが、2020年4月1日からは、企業でも原則屋内禁煙です。

喫煙を許可する場合は、それまでに喫煙室・喫煙所を設置する必要があります。
また、20歳未満の従業員は「喫煙エリアに立ち入り禁止」となります。

助成金制度もあります

なお、喫煙室・喫煙所の設置に関しては、助成金の対象となっています。
ただし、着工前の申請が必要になりますので気をつけてください。

助成金の詳細は、厚生労働省のサイトでご確認ください。
参考 受動喫煙防止対策助成金 -厚生労働省

喫煙室は既に多くの企業で見かけます。
それでも、新たに喫煙室を設けるリフォーム工事は増えると考えられます。

現場では「禁煙」としましょう

このような現状から、現場及びその周辺での喫煙はNG、という流れになってきています。

とは言っても、今でも現場でタバコを吸えるようにしている工務店さんは案外多く見かけます。
敷地内に、赤い吸殻入れが置かれていたりしますね。

しかし、それももう廃止にしたほうが良いのではないでしょうか。
お客さまも見ているからです

現場周辺もよく確かめてから

ただ、この法律は「タバコを吸うな」と言っているわけではありません。
非喫煙者の「受動喫煙防止」のため、喫煙者には「配慮する義務がある」という趣旨です。

特に、健康への影響が大きい子ども・未成年者・患者等への配慮が求められています。

ですから、もし現場に面した道路が児童・生徒の通学路になっている場合や、近くに病院などがある場合は、特に気をつけたほうが良いでしょう。

吸う場合は細心の注意を

では、吸いたい人はどこで吸うか、です。
自分たちが乗ってきた車で吸うこと、としている会社もあります。
しかし、車を止めている場所が問題となります。

現場の隣でたまたまあいている敷地に、車を止めさせてもらう時もありますね。
そこで吸えば、その煙が周囲の家に届き、クレームになることも考えられます。

こうなると、現場でタバコを吸うほうがリスクが高いように思います。

ある工務店さんでのタバコ騒動

これは先日、ある工務店さんで実際にあった話です。

少し大きなリフォームの現場で起きたトラブルです。
施主さまが住まわれている状態でのリフォームで、2~3週間かかるものでした。

ある日、施主さまから社長あてに電話がかかってきました。
「おたくの業者が現場でタバコを吸っている。一体どうなっているんだ!」と、施主さまは激怒。

監督が時々現場に行っていましたが、管理しきれていなかったそうです。

すぐに社長が謝罪に向かいました。
すると、施主さまから「監督は信用できない。社長がちゃんと管理をしてほしい」と言われたそうです。

結果、社長が毎日その現場に通うこととなりました。
そういう時に限って、会社から車で1時間かかる、一番遠い現場でした。

その後、現場は無事終わりましたが、社長は「本当に大変だった」とおっしゃっていました。

御社の信用を守るために

今は、全面的に禁煙とする工務店さんも多くなりました。
都市部に限らず、地方でも禁煙は増えています。

ある業者さんに伺った話では、「業者の中でも、タバコを吸いたい人が、タバコOKの工務店に集中する傾向がある」ということでした。

喫煙者が集まれば、それだけ喫煙トラブルが起こる可能性も高くなります。

禁煙は、無用なトラブルを招かないためでもあります。
それよりも大切なのは、「お客さまの信頼を得る」ことです。

お客さまの信頼がなくなれば、工務店さんも業者さんも、仕事がなくなります。

早急に「禁煙」に取り組まれることをおすすめします。

この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。


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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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