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【第54回】資金計画セミナーで他社と差別化したい。成功のポイントは?

Q資金計画セミナーをやりたいと思っています。
初めてなもので、何をどのようにすればよいのか全く手探りの状態です。
講師は知人のファイナンシャル・プランナーに依頼しようと思います。
成功させるために必要なことを教えてください。
(45歳・工務店経営・滋賀)

Aはい、最近は資金計画の重要性をお客さまに説明する工務店さんも増え、お客さまにとっても良いことだと思います。

ただ、セミナーの内容は、銀行の住宅ローン説明会とさほど変わらないものも多いようです。
できるなら「自社の特徴を活かしたもの」にしていきたいですね。

資金計画セミナーの目的とは?

工務店の資金計画セミナー

そもそも、「工務店が行う資金計画セミナー」の目的は何でしょうか?

それは、初回面談から間もないお客さまの囲い込み、そしてそのお客さまの「真の予算」を知ることです。

ですから、セミナーに参加したお客さまに「この工務店に依頼しよう」と思っていただけるような内容が必要です。

他社で行われている資金計画セミナーと同じような話をしても、「この工務店に」とはならないので、あまり効果がありません。

・お客さまのためになる情報を伝えて、
・自社のファンになってもらい、
・自社を信頼し、建てようと思っていただく

これがセミナーの最終目標であることを頭に置いておきましょう。

では、資金計画セミナーを行うにあたって必要なことを検討していきます。

誰が講師をするか

講師はファイナンシャル・プランナーさん(FP)をお考えとのことですが、個人的にはあまりおすすめしません。

FPさんは家計の話を深く掘り下げることが多いものです。
それはそれで良いのですが、家づくりでは「本当にあなたの給料でローンを払っていけますか?」と、お客さまに問うものになります。

内容がシビアになればなるほど、「誰も家を建てられなくなる」事態に陥ってしまう可能性があります。
そうなると、セミナーをした意味がなくなってしまいます。

またこれもよくあるケースですが、銀行の融資担当者に講師を依頼した場合。
自行の商品の良さをアピールしているうちに、いつしかお客さま目線ではなくなることがあります。
「お客さまのためになる」がどこかに行ってしまったら、本末転倒です。

ということで、社長が講師をしましょう。

「えっ! そんな話をお客さまの前でしたことがないし、自信もない」と思われますか?

社長が講師をすることのメリット

実は、社長がセミナーを行うことが一番効果的です
その理由は以下のとおりです。

1.工務店の社長に、資金のことを堂々と話されると、お客さまは信頼と安心感を抱く
2.社長が行うことで、お客さまの囲い込みが容易になる
3.FPや銀行員とは違う、家づくりのプロならではの内容が可能

実際、ハウスメーカーの営業マンも、多くの工務店の社長や営業マンも、資金の話を避けたがる人がほとんどです。

それは、「資金の話に自信がない」「ローンは銀行に任せればいい」と考えるため、あまり勉強されていないからです。

だからこそ、御社では社長が講師をすることで、他社との差別化になるのです

資金計画セミナーで話す内容を考える

では、どのような内容構成にするかを考えていきます。
せっかく工務店の社長が話すのですから、「工務店ならでは」の内容にするのが望ましいですね。

主な内容をざっと並べてみます。

(1)資金計画とは「新築に住んでからも今まで通りの生活ができる、お金の計画」
(2)家づくりにかかるお金の話…土地、建物、外構など
(3)住んでからかかるお金の話…固定資産税、メンテナンス費用など
(4)住宅ローンの金利動向について
(5)住宅ローンの種類、返済方法、近隣の銀行・労金・JA・公庫などのローンについて
(6)住宅ローン減税や相続税の特例などについて
(7)返済の方法、繰り上げ返済のワザ

あと一つ、工務店ならではの話を例に挙げます。

(8)ここがポイント! 10年後、15年後のメンテ費用をいかに抑えるか

「自社の建物が、いかにメンテナンス費用を抑えられる仕様になっているか」を説明します。
(※もちろんそのような仕様にしていなければなりませんが…)

家の構造などを、これから家を建てるお客さまにも分かりやすいよう話をする必要があるので、少し丁寧な準備が必要ですが、自社オリジナルの内容を伝えることができます。

資金計画セミナーのトーク例

例えば、これは私がお客さま向け資金計画セミナーの講師をさせていただくときに使う言い回しですが、参考にしてみてください。

いまお子さんが5歳と2歳とします。今年、家を建てます。
すると15年後は20歳と17歳。一番お金のかかるときです。

実は、その時期にメンテナンス費用が発生します。
設備モノ、特にモーターが入っているエアコンや、換気扇、24時間換気システムなどは、10~15年で必ず交換することになるからです。

私は建てるプロではないので、建築現場に行った時によく工務店さんに尋ねます。
「小屋裏に設置してある換気システムは、どうやって交換するんですか?」 
小屋裏というのは屋根裏、屋根と天井の間の空間ですね。そこに機械を置いてます。

ある工務店さんでは「うーん。天井をはがす、でしょうね」と言われました。
交換のことを考えてなかったそうです。

びっくりですよね。そんなことしたら費用はいくらかかってしまうのか?
費用が足りないから交換しないとすれば、その家はどうなってしまうのか?
前もって教えてほしいですよね。後から言われても困ります。

実は、この○○工務店さんの建てる家は、あらかじめこうなっているので、天井をはがすとか大がかりなことが必要ないんだそうです。もちろん費用もあまりかかりません。

あと、屋根材や壁材。メーカー保証で20年のモノを使っているそうです。
お子さんが就職するころまでは、とりあえず安心ですね。

このような感じです。

「そんなこともあるんだ」とお客さまが納得する内容だと、信頼も増します。
同時にそれとなく自社をアピールすることもできますので、工夫してみてください。

できればこのような仕様も再検討し、詳しい説明ができるようにして、資金計画セミナーを行うと良いと思います。

また、ローン減税に必要な、確定申告の説明会なども実施されると良いのではないでしょうか。

セミナーを成功させるために

その他いくつか、ポイントを挙げます。

■ セミナーの時間は1時間半を目安に。
■ お客さまは必ずご夫婦で参加していただくこと。来場者は3組で十分です。
■ セミナー中はお子さまの面倒を見るスタッフを置くこと。その旨を告知媒体(チラシやホームページなど)に掲載すること。
■ セミナー終了後は、個別相談会を実施します。 

講師をするには、もちろんかなり勉強が必要です。
それでも、社長ご自身がよく理解してセミナーを行えば、効果を実感できると思います。
ぜひ、挑戦してみてください。

弊社でも各種セミナーの講師をお受けしています。講師をお探しの際はお声がけください。

この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。


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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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