税理士先生に「教えてください」と言っても、めんどくさそうで後ろ向きです。
簡単に分かる方法はないでしょうか?
(36歳・リフォーム業・大阪)
決算書は、企業の一年間の事業内容を数字で表したものです。
「社長の成績表」とも言われます。
成績を見て「何が得意で何が不得意か、どこを改善すべきか」を見極めるとても良い道具です。
その成績表が分からないのは、何とかしたいですね。
本来、税理士先生はその説明を丁寧にしなければならない義務があるのですが、分かりやすく解説するのは案外難しく、説明が苦手な先生もいらっしゃるようです。
そこで私たちもこのようなご相談はよくお受けしています。
いきなり細かな解説を読んでも、難しくて嫌になってしまうときがありますね。
ですので今回は決算書に対しての向き合い方をご紹介します。
焦らず少しずつ理解していきましょう
最初にお伝えしたいこと。
決算書は「誰でも必ず分かるようになります」
私が工務店さんのお手伝いをするときは、最初に財務分析を行い、社長にその意味をご説明しています。
普段見慣れていない決算書、その分析データを見るわけですから、それだけでも一苦労です。
一度では理解できない方も多くいらっしゃいます。
それでも、年に3~4回ほど勉強会をして、3年も経つ頃には、皆さん意味がよく分かるようになります。
「この工事をした」「この入金があった」「この分を支払った」など、年間を通して流れを理解することで、「あ、そういうことか」と実感して腑に落ちるからです。
そして、事業計画の策定では、見違えるような数値計画が作れるようになります。
とりあえず全体を眺めてみる
まずは決算書のページをめくり、全体を見てみましょう。
決算書の構成は?
決算書は、基本的に
■ 表紙(第○期決算報告書 ○○株式会社)
■ 貸借対照表(資産の部、負債の部、純資産の部)
■ 損益計算書(売上高、売上原価、売上総利益…)
■ 販売費及び一般管理費明細書(役員報酬、給与手当…)
■ 工事原価報告書(材料費、労務費…)
このような構成になっています。
名称は会社ごとに多少違う場合がありますが、なんとなく見当がつくのではないでしょうか。
決算書を理解するには、「ことば」つまり「勘定科目」に慣れることから始めましょう。
まずは損益計算書から
最初は「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」がおすすめです。
これは普段でもご覧になっていると思います。
「○○円売り上げて、原価が○○円、経費を○○円使い、最終的に○○円残った」
と、感覚的に分かりやすいですね。
貸借対照表は奥が深い
分かりづらいのは、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」ではないでしょうか。
簡単に言うと、会社がどのように資金を調達し運用したか、が表されているものです。
これも慣れれば分かるようになります。
例えば、決算期をまたいで工事が完了した場合。
「売上は来期に計上される、でも原価はかかっているので今期に計上するのでは?」
などと疑問に思うことがありますよね。
実はこういうものが貸借対照表に記載されています。
これについては第40回で取り上げていますのでご参照ください。
決算書に関連する内容はこのブログでも随時掲載していきますので、参考にしてください。
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